第三部:その時を待ちながら厳冬に事件が続く

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さて、11時になる頃合いに。 関係者の宅となるマンションに着いた木葉刑事達。 既に連絡をしていた管理人の女性に、地下駐車場で会う。 「どうも、寒い中に御連絡しまして。 御手数ですが、確認作業までお付き合い下さい」 毛皮のコートを羽織る美魔女みたいな管理人は、夫婦で管理人をするらしく。 「夫が別件で出払っていますから、私が代理で立ち会います」 化粧が濃い女性の管理人が案内するが。 「藤木さんは、家賃の滞納も無い方ですがね。 普通のお仕事をされてないのか、出掛ける時間もまちまちな方らしいです。 あと、目付きが怖いと、他の住人から愚痴られましたわ」 「お仕事の方は、何をされているかなどは聴いてないんですね?」 「はい。 マンションの賃貸に関しては、不動産屋さんの方で聴くみたいなんですが。 会社員としか、此方には情報が…。 派遣の方なんかですと、仕事に由っては出勤も不規則だそうですからね。 私も、あまり聴かない様にしてます」 「なるほど。 処で、藤木さんは車を所有していると聞きましたが」 「あ、白い乗用車みたいですね。 契約の書類にも、駐車場の使用が含まれてます」 「駐車場には、白い乗用車が見受けられませんね」 「あら、どうしたのかしら」 4階に着いて、廊下の一番奥の部屋だと云うのだが。 木葉刑事は、視た。 首を斬られた男性が、黙ってドアの脇に佇んで居る。 (藤木だ。 彼も、また…) 部屋を見る前に、幽霊で事件を知る。 「藤木さん、藤木さん」 チャイムを押してインターホンに呼び掛けるも、反応は全く無い。 管理人の女性が、合鍵で開こうとすると。 「あら、鍵が開いてますわね」 すると、木葉刑事は直ぐに。 「失礼、少し下がって頂けますか」 その手は、もう手袋をはめていた。 ドアノブを開いて、薄暗い部屋の中に入る。 漂う異臭が仄かに鼻を突き、木葉刑事達はダイニングで倒れる男性の遺体を発見する。 狼狽した管理人の女性は、慌てて外に出ようと。 遺体の顔の写真をスマホで撮った木葉刑事は、外の廊下に出た女性に。 「驚かれましたか?」 呼吸を乱す女性に、もう一度遺体の顔を見せて藤木かどうかの確認を取る。 八橋刑事は、直ぐに本部へと連絡をする。 現場に戻る木葉刑事が。 「亡くなってるのは、藤木本人みたいだよ」 遺体の状態を見る司馬刑事が。 「首を刃物で切ってますね。 これは、後ろからやってそうだな」
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