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「でも、片岡さん。 漸く世間の風当たりが微風になって来たのに、また強風に成る様な真似はメンドーなンスけど」
「はっ、お前に風当たり強まった所で、びくともしねぇだろうが。 大体、あれだけの美人だぞ。 弱った姿も、なかなかオツだぞ」
「片岡さん、意外と好きですねぇ」
「ふん。 俺が独身で30若ければ、智親でも鴫でも狙うさ。 お前が枯れてるだけだよ」
「その枯れ葉に、強風が吹いたら飛んで行きますよ」
「まだ若いクセして、なっさけ無ぇ~な」
「でも、鴫さんって自宅療養中じゃ?」
「いや、40度を超えて、警視庁で救急車を呼ばれた」
「ゔっーわ、今流行りの悪性なウィルスかな」
「おうよ、今流行りの複数耐性型らしい」
「最近、そうゆうウィルスが流行ってるらしいですね」
「新薬の使い方が悪いのさ」
「はぁ、仕方ない。 虎ノ門で、ロイヤリクラウン・ドゥ・フロイラインでも買うか」
「おっ、あの高いケーキか」
「はい。 知人の医師が、其処のパティシエさんと知り合いらしいので…」
「医師って、古川さんの娘を預かってるあの人物か?」
「はい。 パティシェさんのお子さんと奥様の難しい外科手術を担当したとかで。 付き合いが生まれてからは年に数回、ケーキを購入するとか」
「そりゃ~最高の伝だ」
最高のケーキを送ると聴いて、智親鑑識員はボーっとする。
(私も食べたいですぅ~)
早く休むとした木葉刑事は、越智水医師にケーキの予約が出来るか聴いてみた。 快い返事が返って来て、班の仲間と話し合いながら休む事に。
明けた次の日。
木葉刑事達、固定化された三人は例のタクシーを追う。
一方、薬物と売春の捜査をしていた里谷刑事は、遂に逃げ回っていた肥田の居場所を突き止める。 あの、朝比奈なる関係者の事を木葉刑事から聴いていた彼女だ。
(女の敵めぇっ、何時までも逃がすかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!)
下手に奴を逃がしていると、金を強請る目的で彼女の子供が利用されるかも知れない。 昨年に起こった赤ちゃんの遺棄事件が、里谷刑事の頭に過った。
その日、真夜中まで捜査に出た里谷刑事は、本日最終の東京発日本一周をする高級列車に乗り込む肥田を捕まえた。 肥田は、スタンガンを隠して所持していたが。 里谷刑事が奪い、肥田にスタンガンを喰らわせてやった。
連行された肥田を見て、先に戻っていた木葉刑事が拍手を送る。
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