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1月6日、雪。
朝から雪。 粉雪が吹く、東京とは思えない雪模様だ。
9時頃に出勤して来た木葉刑事に、里谷刑事が飛び付く。
「御主っ、鴫とデートしたらしいな。 むふ、むふふ…」
何処か羨ましげで、探る様な彼女に木葉刑事はドン引き。
「あの、話が飛躍してませんか。 昨日、7人ほどで飯を食べただけッスよ」
「ほ~ほ~」
細めた眼で探って来る里谷刑事は、丸で疑いを持った刑事の様。
「どれ、ちょっと事情聴取しよか」
後ろに連れ込もうとする里谷刑事に、嫌がる木葉刑事。 眠そうに出勤して来た織田刑事は、もう構う気にも成らない。
「ホラ、管理官も来たよ。 里谷、早く座んな」
美田園管理官が早々と現れ、舌打ちした里谷刑事。
だが、現れた美田園管理官は、
「木葉刑事、此方に」
「はい」
前に来た木葉刑事へ、美田園管理官は紙を差し出し。
「昨日、貴方が発見した逃走車両から持ち主が判明しました。 その人物は、“藤木 益永”(ふじき ますなが)と云い…」
説明をする最中に、木葉刑事も住所を確かめると。
「蒲田…」
「そう。 駅の防犯映像を追った結果、千葉から東京に戻った人物と同じ場所に、この車の所有者が居る」
「偶然にしては、出来すぎ・・ですかね」
「貴方の言う通りな気がして、先ずはこの人物を訊ねて下さい。 それが空振りならば、蒲田に捜索を掛けます」
「この情報は、何時に?」
「朝よ。 自動車の部品の製造番号から販売先を割り出して、中古販売業者を一つ経由して解ったの」
「そうですか、では直ぐに向かいます」
「一緒に、八橋刑事と唐鎌刑事も」
「空振りしたら、直ぐに聴き込みに回ります」
「判断は任せます。 聴き込みに向かう時には、一報だけ頂戴」
「はい」
其処へ、もう4人の刑事が集まって来た。 司馬刑事、堤刑事、唐鎌刑事に八橋刑事が揃い、木葉刑事は八橋刑事に用紙を渡して歩き始めた。
情報を仕事用のスマホに入れる八橋刑事。
既に車を借りた司馬刑事は、二台の内の片方の鍵を唐鎌刑事に渡した。
木葉刑事達が廊下に出ると、所轄から応援で来ていた若い男性刑事が前に来て。
「管理官」
資料を見ている美田園管理官だ。
「何でしょう」
「あの木葉刑事に、そんな重要な捜査を任せて大丈夫ですか? 彼は、捏造するって噂ですよね?」
美田園管理官だけではない。 八重瀬理事官、尚形係長、篠田班長、それに署長までも彼を見返した。
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