0 メタモルフォーゼ、再び

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 荒く乱れた息遣いの合間に、必死に自分の名前を呼ぶ秋川の唇に瀬田は口付けを落とし、促す。 「もっと、聞かせてください」 「!?」  わざとローションの水音をたてるかの様に、瀬田は指を再び動かし始める。何時も秋川だったら、瀬田に可愛いと言われた途端に睨むのが常だったが、今夜は違っていた。  何かを訴え掛けるように、熱っぽい目で見上げてくる。 その何かが、まるで分からない瀬田だったが、十二分にそそられはした。 「もう、入ってもいいですか?慎一さんのココ、熱い」 差し入れた人差し指と中指とから蕩かされてしまいそうで、堪らなくなった。  うなずく代わりに目を閉じて、秋川は瀬田へとキスをする。 視線を下へと、瀬田の下肢へと滑らせると、そこは秋川が何もしていないにもかかわらず、既にみっしりと張り詰めていた。  自らゴムを着けた瀬田は、秋川の脚の付け根に手を掛け、大きく開かせ・・・はしなかった。 その代わりにその体を裏返し、つまり、うつ伏せにした。 「・・・晴季?」  とっさに振り返った秋川の目の中で、瀬田はウットリと笑っていた。 手の平を秋川の背中の上で、上下に遊ばせる。 「慎一さんの背中って、やっぱり凄くきれいです」  実物の方が。と、瀬田は心の中でさっき見た杉生の撮った写真を、秋川の背中に重ねた。     
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