146人が本棚に入れています
本棚に追加
荒く乱れた息遣いの合間に、必死に自分の名前を呼ぶ秋川の唇に瀬田は口付けを落とし、促す。
「もっと、聞かせてください」
「!?」
わざとローションの水音をたてるかの様に、瀬田は指を再び動かし始める。何時も秋川だったら、瀬田に可愛いと言われた途端に睨むのが常だったが、今夜は違っていた。
何かを訴え掛けるように、熱っぽい目で見上げてくる。
その何かが、まるで分からない瀬田だったが、十二分にそそられはした。
「もう、入ってもいいですか?慎一さんのココ、熱い」
差し入れた人差し指と中指とから蕩かされてしまいそうで、堪らなくなった。
うなずく代わりに目を閉じて、秋川は瀬田へとキスをする。
視線を下へと、瀬田の下肢へと滑らせると、そこは秋川が何もしていないにもかかわらず、既にみっしりと張り詰めていた。
自らゴムを着けた瀬田は、秋川の脚の付け根に手を掛け、大きく開かせ・・・はしなかった。
その代わりにその体を裏返し、つまり、うつ伏せにした。
「・・・晴季?」
とっさに振り返った秋川の目の中で、瀬田はウットリと笑っていた。
手の平を秋川の背中の上で、上下に遊ばせる。
「慎一さんの背中って、やっぱり凄くきれいです」
実物の方が。と、瀬田は心の中でさっき見た杉生の撮った写真を、秋川の背中に重ねた。
最初のコメントを投稿しよう!