アダムとイヴ

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アダムとイヴ

神は天地を創造し、第六日目に自分を模って土で男を創り、鼻から命の息を吹き込み命を与え、アダムと名付けました。 次にアダムの鋤骨から女を創り、イヴ(エバ)と名付けました。因みにヘブライ語では土をアダマ、命をエバといいます。 神は二人を苦しみの一切ない、天国のような楽園「エデンの園」に送り、美しくおいしいあらゆる植物を生やしました。 そして園の中央には、「命の木」と「善悪の知識の木」を生やし、神は二人に言いました。 「人間にこの園をあたえよう。自分たちで耕し、守り、全ての木から実をとって食べなさい。ただし、善悪の知識の木の実は決して食べないように。食べると必ず死んでしまうよ」 そう言い聞かせました。 純粋無垢な二人は、羞恥心も猜疑心も持ち合わせていません。 そのため、エデンの園を生まれたままの姿で幸せに過ごしていました。 ところがある時、知恵を授けられた蛇(悪魔の化身)が、イヴに囁きました。 「この善悪の知識の木の実を食べてごらんなさい。決して死なないし、むしろ目が開け、神のように善悪を知る者となるのだよ」 イヴは蛇の言葉に惑わされ、禁断の果実を手にし、食べてしまったのです。 それは甘やかでおいしく、イヴはアダムにも食べるよう勧め、とうとうアダムもそれを食べてしまいました。 その瞬間、二人の中に羞恥心や猜疑心、自己防衛、怒り、嫉妬、悲しみ…など、無垢とは反対の感情が芽生えたのです。 二人は裸であることに気付き、イチジク葉で身体を隠しました。 これを知った神は激怒し、罰を与えました。 女性には産みの苦しみを、そして男性には命を終えて土に返るまで、土を耕して食物を得る苦しみを与えました。 2人には、エデンの園にある「生命の木」の実を食べて不死となる権利を与えないとし、園を追放されたのです。 神に背き、人間は永遠の命と引き換えにエゴを手にしてしまった…これを、キリスト教でいう人間の[原罪(一番最初の罪)]というものです。 禁断の果実を口にした事により、本来は神の子で神と同じような能力を持つはずの人間が、生まれながらに罪を背負っていると言われています。 こうして2人は神の楽園から追放され、人間は地上で神の子(キリスト)の降臨を待つ運命となったということです。 キリスト教の教えとは、キリスト教を信じ祝福をいただき、罪を許されることで天国へ導かれるというものです。
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