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桃村の試練
俺の名は桃源(とうげん)。
桃村に生まれ育ち、今年二十歳になった。
桃村は、あの有名な桃太郎の生まれた村であり、村で生まれた男子は、必ず名前の一字に「桃」をつける習慣があった。
この村には昔から掟があり、男子は二十歳になるとある試練を受けなければならない。
その試練とは、鬼ヶ島にいる鬼を退治しに行くというものである。
一度は桃太郎が鬼を懲らしめたのだが、悪い奴ってのはまた悪さをするもんで、定期的に懲らしめるために試練が設けられたらしい。
俺にしてみれば、鬼も学習しろよと思うし、村の試練も行きたい奴が行けよと思っていた。
しかし、もし試練を受けない場合、その家は村八分にされる。
正直、そんなことで村八分にする村なんてこっちから出ていってやると言いたいが、母ーちゃんと父ーちゃんに迷惑はかけたくなかった俺は、仕方なく試練を受けることにした。
「おい桃源、お前もとうとう二十歳になって、試練を受けるときが来たな!」
そう話すのは、俺の父ーちゃん、桃白(とうはく)である。
「そうね、この間まで鼻水垂らしてたと思ってたのに、いつまにかそんなに大きくなっちゃって。」
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