二匹目の共

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おれは、桃郎の太った体を見ながら嫌味を言ってやった。 普通なら、誰でも気がつく嫌味なのだが、桃郎はそういう類いのことが良く分からず。頭から?が飛び出ていた。 ただ桃郎の周りにいる奴は違った、 「おい小僧、桃郎様を愚弄するか。かみ殺してやろうか?」 そう言うのは、先ほど俺の行く手を阻んだ桃郎のお供が一匹、犬の白狼(はくろう)だった。 この犬は、名前の通り白い毛並みに見た目は狼そっくりで、いかにも強そうであった。 俺は白狼を見ながら、タローのことを思い出し、何だか泣きたくなった。 「いやいや、これまた白狼殿ではないですか。いえ、決して桃郎殿を愚弄したつもりはありません。 私は貧しい村人で、学もなく、言葉もままならぬのです。 ですが、私が申したことが気に入らぬようでしたら、それは誠に申し訳ありませんでした。」 俺は下げたくない頭を無理やり下げ、その場をなんとか誤魔化した。 「ほれほれ、白狼やめないか。桃源もそう申している。ささ、桃源、頭を上げなさい。 今回、この村で二十歳を迎える男子は私とお前だけ、仲良く鬼退治をしようではないか。」 桃郎はこう言っているが、こいつのお供は白狼他、二匹のお供がものすごく優秀で、桃郎自体が鬼退治をするつもりは全くないのだ。     
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