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「ははぁー、これは勿体なきお言葉。私も桃郎殿の足をひっぱらぬよう精進いたします。」
俺の言葉に、桃郎は満足そうな顔をした。
白狼はまだ俺を睨み付けている。
この場所から早く立ち去りたかった俺は、
「では、私はここらでおいとま致します。
桃郎殿の様に、私も早く三匹のお供を探さなければなりませんので。」
と言うと、その場を後にした。
桃郎達が見えなくなった所まで来ると、俺は近くの草むらを蹴り上げた。
「ちくしょー、桃郎のやつ。金に物を言わせてお供を集めやがって。
俺なんて母ーちゃんが作ってくれたきび団子だけで、お供を集めなくちゃいけないって言うのによ。」
俺は怒りのまま、草むらを何度も蹴った。
その時、草むらを蹴る俺の足が何かにぶつかった。
俺は何を蹴ったのか見るために、草むらをかき分けてみた。
するとそこには、今にも死にそうなハトが倒れていた。
「お、おい。大丈夫か?」
声をかけると、ハトは「うー」とだけ言った。
"やばい、もしかして俺のせい?"
そう思い、急いでハトを手に抱え、体を見てみる。
しかし、外見には負傷した跡はなかった。
念入りにハトを見ていると、「み、水」と、力ない声でハトが言った。
俺は「水だな?水が飲みたいんだな?」と聞き、急いで近くの川に向かった。
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