母から聞いた怖い噂

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ある日、捜索隊に見つかり逮捕されました 疲れ果てていた為、すぐに自供します 自供した場所は確かにコンクリートが新しかったので掘り起こされたのですが そこには、遺体はありませんでした 弟もそんなはずはないと いうのですが跡形もありません 結局、遺体は見つからないまま捜査は縮小されていきました 弟は証拠が乏しいことから仲間2人と3年ほどで刑期を終え、出て来ました 弟は金もないのにまた豪遊癖がでてきて悪いことを繰り返していました あの時、なぜ遺体は発見されなかったのか謎のまま 弟も気にはしていましたがシャバに出てきて徐々にどうでもよくなってきます ある夜、酔って帰宅して玄関先で酔いつぶれていると 玄関の戸の外側で ピチャッピチャッと濡れた足で人が歩いているような音が聞こえました ん? 遠い意識の中でなんだ?と思いましたが睡魔に負けて寝入ってしまいました 朝になり、おぼろげに 昨夜の、あの音はなんだったのか?夢だったのか? と思いながら戸を開けると コンクリートの足跡がべったりとあちこちについていました ギャーーーッ まさか、あの知人が生きていて復讐にきたのか? そんな事がその日以来毎晩続き弟は家から出られなくなりました 近所の人によると 夜中に奇声や叫び声を毎晩あげるようになっていると 聞きました 2ヶ月くらいすると 全く声はしなくなり 警察に近所の人が通報して見に行くことになりました 応答がないまま、警察は鍵を壊して入ってみると 弟は全身、コンクリートにまみれた状態で死んでいました 近くには行方が分からなかった知人が、コンクリートを塗られたまま白骨化して見つかりました その後、造り酒屋は斜陽の一途をたどり廃業しました 弟一家も離散して夜逃げ同然にいなくなりました 母から聞いた田舎であった本当に怖い噂でございます
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