きっと。

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「全く……本当におっちょこちょいだな、お前は。じゃあ、いつものバーに行こう。クリスマスプレゼントに、ちょっと高いシャンパン、よろしくな」  そう言って、僕の手を取って歩き出す。引っ張られて、僕は慌ててあとを追った。輝く街並みを歩きながら、じわじわと実感が、繋いだ手から五臓六腑に染み渡る。 「……佐藤」 「ん~?」 「愛してる」 「馬鹿。そういうのは、大事な時に取っておくもんだ」  モノクロだった景色にパアッと、グリーンとレッドのクリスマスカラーが色付いた。愛してる。佐藤。何でもない時だって、何回だって、君にそれを伝えたい。きっと。 End.
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