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「ん?どうしたの?・・・ってきゃあああ!」
佳晃は声をかけると、返事を待つより先に心愛の脇腹の辺りを両手で掴み徐に持ち上げた。子供を高い高いするような感じだ。
心愛は少女の様な悲鳴を上げながら空中でもがいている。彼女が女の子っぽい声を出すのは珍しい。
「離しなさい!スク水姿の私に発情したからって、触るのは犯罪よ!料金発生するわよ!」
「やっぱりこれは・・・」
佳晃は心愛の非難を聞き流しながら、真面目な顔で得心したような声を漏らした。
「どうかしたのか?」
「持ってみ?」
「子供扱いすんなー!無視すんなー!!」
心愛を手渡される。子供扱いっていうか、物扱いだなこれ。
2人の手で心愛を支えた時、声がかけられた。
「いいか、ちゃんと力入れて、足も踏ん張っとけよ。」
「?・・・お、おう」
ニートやってもう3年になるが、流石に子供を持てない程筋力落ちちゃいないぞ?
だが、彼がそう言った理由はすぐに分かった。
ドンッ!!
「足痛ったぁ・・・」
「ああっ!すまん!」
渡された瞬間、鉛直下向きに凄い力がかかって彼女を落としてしまった。ちゃんと着地したが、踵から勢いよくいったせいで足がじんじんしている様だ。
てか、なんだ今の?
「だから力入れとけって言ったのにー」
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