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第2章 過去の事件
公園で見つかった死体の身元が割れた。
加島 英一、四十三歳。
元長岡組の幹部だったが三年前に組が潰れた後、凌ぎでやっていた土地物件の売買を、そのまま引き継いでやっていたそうだ。
要は地上げ屋である。
「まあ、恨みは買っていたでしょうね。でも足も洗っているなら、暴力団絡みでもなさそうですけどね」と中村は顎をさすった。
「うーん。それなら土地売買の仕事絡みか?どちらにしても気になるのは、あの殺され方だ」
そう言って古渕は、手帳を睨んだ。
「それにしても、生きてる間に指を切り取られるなんて、どんな気持ちなんでしょうかね?俺、ぞっとしますよ」と、中村は身震いした。
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