昭和48年・春

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 学校での友人たちとの話題はいつも 前日の夜から朝にかけてラジオから流される深夜放送の事。睡眠時間がラジオを聞いていると朝方の午前3時頃になってしまう為、深夜放送に対しては賛否両論があったけれど、受験生として勉強しているというラジオ聴取は親たちへの口実にもなった。  旋の地元愛知県では、深夜放送にはクラスの中でも大きく3つの派閥を作っていた。地元の中京ラジオや名古屋ラジオが放送する地元の局アナウンサーが進行のパーソナリティーを務める地域密着の深夜放送を聞く「地元派」。人気のフォークシンガーや 露出が多くなってきた全国区の局アナを集めた 東京の文京放送の番組「ハ~イ!ヤング」派、そして、お笑い芸人や、有名なシンガーを集めたTBYラジオの「パック・イン・ミッドナイト」派という3つの魅力的な放送が流され、それぞれのファン層が放送の翌日それぞれの派閥のファンが集まり、前夜の番組の内容でクラスで盛り上がることが常だった。     
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