11月・合唱コンクール

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11月・合唱コンクール

「秋の日ははつるべ落とし」という言葉を先生から聞いたことがあったが、11月を迎えると 日が暮れるのが早くなり 学校からの帰り道は真っ赤な夕日に包まれることが多くなった。  教室では 高校受験がだんだんと迫りくる中で 中学3年生として これまで遊びまくっていた旋自身も少し勉強をしなければと思い始めていた。  こうした中で旋の通う鶴城中学では 学校最後の行事でもある校内合唱コンクールの話題で3年4組のクラスでは盛り上がっていた。  通っている 鶴城中学では1年を通じてクラス対抗のイベントが季節ごとに用意されていた。 春の運動会、夏の水泳大会、秋の運動会と続き 最後の学級対抗イベントが合唱コンクールだった。  3年4組の成績は 春の運動会では7クラス中7位の最下位で、クラス士気が大きく落ち込んで、雰囲気もまとまりも最低の状態に皆が大きく落ち込んだ。 そんな時、担任の山村が クラスに語り掛けた言葉は衝撃的だった。 「まあ気を落とすな!」 「今回は最下位だったが、これから他のクラスを追い越していく楽しみがあるじゃないか!」     
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