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「とんでもない。困ったときはお互い様ですから!」
「ところで、ひとつ気になったんだが。君は随分と強靭な肉体を持っているね。何か秘訣でもあるのかい?」
そう尋ねられ、これは売り込むチャンスだと思った。
バッグよりサンプル品を取りだし、磯辺さんへと手渡す。
「私は、弊社の開発した『サイキョー・プロテインDX』を愛用しております。効果の程はご覧いただいた通りです」
「おぉ……! なるほど、合点がいった! 効果が抜群である事は間違いないみたいだね!」
「はい! これさえ飲めば、モリモリのムキムキです!」
「わかった! 御社の製品をいただこうじゃないか! ありったけ買い取ろう!」
「ありがとうございます!」
磯辺さんが手を差しのべてきた。
それを見て、僕も手を差し出す。
熱く交わされた握手には苦難を乗り越えた男たちの、確かなぬくもりが溢れかえっていた。
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