第3章 柚希、ゴッドファーザーになる

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「ニンゲン、お前は何でこんな処に居るんだ? しかも1人で」 「僕は鷹山柚希。ユズキって呼んで良いよ」 「うるせえ、ニンゲン。俺の質問に答えろ」 「夏休みの間、おじいちゃん家に遊びに来たんだ。 で、散歩してて道に迷って……」 「道理で、嗅いだことのない匂いだと思った」 「あ、さっきはありがとう」 「礼なんて要らねえ。ポテチップスも貰ったしな」 「ポテトチップスね」 「うるせえ、ニンゲン。俺にこの山で()ったことは誰にも言うなよ」 「うん、約束するよ。でも何で?」 「何でも、だ。それに俺はニンゲンが嫌いなんだよ」 「ねぇ、誰にも言わないからさ。明日もここに来て良いかな?」 「勝手にしろ、ニンゲン。まぁ、俺が居るとは限らねえがな」 グーッと異形の小犬の腹が鳴る。 気づいた小犬はバツが悪そうだった。 「やっぱり、計画変更。君もおじいちゃん家に連れて行く」 「俺はニンゲンが嫌いなんだって言っただろ」 「でも、実はさっきまでお腹ペコペコで死にそうなくらいだったんでしょ?」 「、、、まぁ、ガキは良いとして、大人は嫌いなんだ。 だいたい、お前の家じゃないんだろう? ニンゲン」 「人間、人間、言わないでよ。僕は柚希だよ」 「うるせえ、ニンゲン。こんなツギハギだらけの犬連れて帰れるかよ」 僕は、それに関しては考えがあった。
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