75人が本棚に入れています
本棚に追加
/51ページ
「ニンゲン、お前は何でこんな処に居るんだ? しかも1人で」
「僕は鷹山柚希。ユズキって呼んで良いよ」
「うるせえ、ニンゲン。俺の質問に答えろ」
「夏休みの間、おじいちゃん家に遊びに来たんだ。
で、散歩してて道に迷って……」
「道理で、嗅いだことのない匂いだと思った」
「あ、さっきはありがとう」
「礼なんて要らねえ。ポテチップスも貰ったしな」
「ポテトチップスね」
「うるせえ、ニンゲン。俺にこの山で遭ったことは誰にも言うなよ」
「うん、約束するよ。でも何で?」
「何でも、だ。それに俺はニンゲンが嫌いなんだよ」
「ねぇ、誰にも言わないからさ。明日もここに来て良いかな?」
「勝手にしろ、ニンゲン。まぁ、俺が居るとは限らねえがな」
グーッと異形の小犬の腹が鳴る。
気づいた小犬はバツが悪そうだった。
「やっぱり、計画変更。君もおじいちゃん家に連れて行く」
「俺はニンゲンが嫌いなんだって言っただろ」
「でも、実はさっきまでお腹ペコペコで死にそうなくらいだったんでしょ?」
「、、、まぁ、ガキは良いとして、大人は嫌いなんだ。
だいたい、お前の家じゃないんだろう? ニンゲン」
「人間、人間、言わないでよ。僕は柚希だよ」
「うるせえ、ニンゲン。こんなツギハギだらけの犬連れて帰れるかよ」
僕は、それに関しては考えがあった。
最初のコメントを投稿しよう!