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第3章 柚希、ゴッドファーザーになる
ツギハギだらけの小犬は、鼻を鳴らして僕が与えたお菓子にパクついていた。
よっぽどお腹が減っていたんだろう。
僕の視線に気づいても、逆に睨み返しながら包装紙をベロベロ舐める。
「ニンゲン、美味いもの持ってるじゃないか」
「これはポテトチップスだよ。ジャガイモのお菓子」
「芋? 昔、生のまま喰おうとしたが、不味くて喰えなかったな。
あんなの好物だっていう猪どもの気が知れなかったが、なかなかどうして」
「犬は芋は食べないんじゃない?肉食でしょ?」
言った後、気づいた。
やばい。地雷踏んだ。
肉食獣⇒僕食べられる
「まぁ、基本は肉食だが、雑食だな。ん? お前顔色悪いぞ」
「……僕のことは食べない?」
「ニンゲンなんて喰ったことねえよ。熊っころと一緒にすんな」
熊、、、そうだった。
さっきは熊に殺されそうな処をこの犬に助けてもらったんだ。
ん、この犬だっけ?
で、何で喋ってるの?
バ、バケモノ? ケモノ? モノノケ?
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