ランチタイム狂詩曲 1 ピンクのカーディガンを肩に掛けて

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菅君が支社戻りで私はまた一人で 一宮の得意先だから一宮駅に残った。 得意先回りは方便で ホントの目的は・・・ 二人でお参りした真清田神社。 「日曜が楽しい日でありますように」 社務所の御神籤が見えたけれど 止めておいた、 (吉が出たら余計な期待して・・・) ・・・だから。 駅前の名鉄百貨店に立ち寄ると マネキンが肩に可愛いカーディガンを 羽織って初夏の風・・・。 (ピンク・・・何年ぶりだろう) 日曜日、約束の一宮駅のロータリー。 「おはようございます」 菅君の車の助手席に乗ると 「エエです、エエわ! ピンクのカーディガン、 香苗さん、似合いますよ」 真っ直ぐに見てくれた。そして “課長“ではなく“香苗さん”。 もうこの恋が吉でも凶でも (私は彼が好き!) それだけで充分だと思った。 00bb0016-59e8-4e51-a961-cc4fa5b602e1              ー 了 ー
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