置き土産

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僕は、スケッチブックに描いた、多くのキャラクターを見て言った。 「一緒に、行こうな・・・」 そう思うだけで、心強かった・・・ 「残念だけど、その子たちは、君と一緒には行けないわ」 えっ、だれ? すると、目の前に、女の子が現れた・・・ 「死神さん?」 「失礼ね、天使と言ってよ」 同じような物という、認識が僕にはあった。 「で、さっき連れていけないって、どういう意味?」 「私の事、訊かないの?」 「すぐに、わかるんでしょ?」 「もう、覚悟は出来ているのね」 「うん」 ため息をついた。 「その子たちは、君の死後、一躍世界的なキャラクターとなるの、 ミッ○ーや、ス○ーピーのようにね」 「ホントに?」 「ええ、もちろん君の名前も残る。 そして、その子たちは、半永久にこの世に残るわ。 だから、君とは行けないの・・・」 「そっか・・・残念だ・・・でも・・・」 「でも?」 僕は、意を決して話した。 「子供の活躍は、親ならうれしいもんね」 「そうだね・・・行く?」 「うん」 僕の魂は、体を離れた。 天使のいう通りになった。 翌日、僕に遺体が、あのナースさんに発見され、 スケッチブックが両親に手渡される。 それを見た両親が、僕が生きた証として、 キャラクターを載せた、イラスト集を自費で出版してくれた。 それが、ある人の目にとまり、またたく間に世界中に広まった。 今、僕は子供たちの活躍を、向こうから見ている。 キャラクターの収益金は、僕のような何病の子供たちを救うために使われている。 で、あの迎えに来てくれた天使だが・・・ 下界にいる子供たちの言葉を、僕に伝えてくれている。 「パパ、ぼくたち頑張ってるよ」
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