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俺は脳内チップの通話回線を、本部に繋げた。
「あー、定時連絡。
キコエテマスカ。
テイジレンラク」
『少し遅いぞ。
全員の様子を映せ』
シャリス、ニル、テフ、そしてエリカ。
順番に視界に入れていく。
「ご覧の通り、全員問題無し。
道中特に、トラブルなしだ」
『ふむ……。
目標地点までは?』
「おい、エリカ。
お前の診療所までは、あと何キロだ?
大体でいい」
「はい……。
300キロメートル程です」
メガネが息を漏らす。
耳が気持ち悪い。
『明日だな。
明日までに到達しろ』
「……切るぞ」
『ああ』
俺は中指を立てる。
回線が切れたという合図だ。
「どうだ?」
エリカよりも先にシャリスが口を開く。
「…………明日だってさ」
「糞が」
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