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2話
台所にあった食パンをトースターの中に入れて、野菜ジュースをコップに注ぎ、食パンが焼けるのを待つ。
パンの焼ける香ばしい匂いが、台所からしている。
待っている間テレビを付けると、ニュース番組がやっていた。
「今回の議論は、運転手の過失により、未成年者の命を奪う・・」
ニュース番組の司会の人が、そう言いかけた瞬間、テレビを消した。
朝からそんな暗いニュースを聞きたくない、そうと思ったからだ。
食パンを野菜ジュースで流し込むように食べるが、少し詰まりそうになった。
食器を片付けて、部屋の掃除などをした後、散歩にでも行いこうと思い、外に出た。
外に出てみると、家の中からじゃ見えない小雨が降っていた。
梅雨だから最近は雨が多いなと思った。
多くの人が梅雨を嫌いという。
でも僕は梅雨が好きだ。
なんで好きかと聞かれるとどう表現すれば良いか、言葉に迷ってしまう。
雨が降った後の独特の香り、雨に濡れたアスファルトの匂い、曇り空がこの世の中の孤独を表しているように思えてくる天気、自分自身の直感を刺激するような空気。
多分あの梅雨の時期のなんとも言えない雰囲気が自分自身の本能的に好きなのだ。
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