2話

3/4
前へ
/96ページ
次へ
辛い思い出や苦い過去ばかりを覚えていて、あの時、こうしておけば良かった、なんていう後悔ばかりに付き纏われている。 後悔は、後から悔やむものなので、今はもうどうすることも出来ない。 出来るとするなら、その後悔をこれからはしないように行動する。 もしくは、そういうものだから仕方ない、と心の中で割り切るしか無い。 だがらこそ、僕は後悔が一番嫌なのだ。 なんとも言えない感じの後悔というものが、心に付き纏っている。 直接的な重さはなくても、心は重くて、ずっと締めつけられている。 後悔を思い出して、呼吸をしようとすると、息苦しさを感じる。心の締めつけや、息苦しさは「痛い!」や「苦しい!」と叫ぶほどでは無いが、「じわぁ~」っと徐々に苦しめてくる様で、僕はその中途半端さ、が一番嫌いなのだ。 生きていても楽しくない、意味がない、そう考えているからこそ、この梅雨のどこか寂しい雰囲気が、自分の心の中を表しているようだから、好きなのだと思う。 そんな事を考えながら、歩き始めてから五分ぐらいすると、いつも散歩の時に行く、木々が生い茂った近くの公園についた。 その公園は、公園にしては大きく、広場と言ってもいい程の大きい公園だ。 その公園には今の時期、紫や青、ピンクといったあじさいが咲いている。まだ満開ではないが、あじさいの蕾は開きつつある。     
/96ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加