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「いや、熱血教師のイメージなら普通そこは、体育の先生だろ!」とツッコミたくなる。 なぜ海村先生が朝から教室に来たのだろう、と思ったがその答えはすぐにわかった。 「えーと、みんな突然のことなんだが聞いてくれ。 みんなのクラスメイトの長塚歩美さんが転校することになった。今日限りでみんなとお別れになるそうだ。理由は家の事情ということだ。先生も非常に残念に思うが、最後は笑顔で見送ってやってほしいと思う」 海村先生の突然の発言にクラスが静かになる。 静かというよりも静寂に包まれたようだった。 ほんの数分前の賑やかさが嘘のようだ。 「これ以上俺が喋ってもなんなんなので、長塚、みんなの前で一言もらえるか」 その発言とともに、クラス全員の視線が前のドアから入ってきた長塚歩美に向けられた。     
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