分岐点

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周りは白い壁で窓も何もないあるのは正面にある一つのドアだけだ。襲われた理由はいくつか予想がつく。十中八九、自分が今の地位を得るために蹴落としてきた誰かであろう。そんなことを考えていると正面のドアが開いた。女性であった。しかし全身黒ずくめで顔もわからない。するとその女が、「妻と娘どっちを助ける?」と言った。変声機を使っているようだった。「どうゆうことだ!」と尋ねると 「あなたは妻と娘どっちかしかたすけられない。あと10分以内に選ばないとどっちも殺す。よく考えて選ぶことね。」 「そ、そんな無茶苦茶だ!」 「早く選ばないとどっちも死ぬわよ!」 「わかった」 そういう私はすぐに考えた。 妻は家に一人でいるはずだ。襲われやすい! 娘は今修学旅行で海外に行っているはずだ。そう簡単には、襲われないはず。 今は妻を選んですぐに娘を助けようと決めた。 何より私は選択には自信があった。 「時間よ。どっちを助けるの?」 私は、「妻だ!」と言った。女は「そう残念」と言って 私に銃を向けてきた。「どういうことだ」と私は言った。女は黒ずくめの布を取り、顔をあらわにした。そこには、見慣れた娘の顔があった。「お父さんは、私のことをずっと気にかけてくれなかった!私が学校でいじめられている時だって、高熱で寝込んでいる時だって、仕事、仕事とか言って!私なんかいらないんでしょ!最後のチャンスをあげたのにやっぱり私は、いらない存在だった。」そう言って娘は、私の心臓目掛けて銃を放った。私は、撃たれて倒れながら思ったのだ、大事なところで選択を誤ったのだと。
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