真夜中に咲く、黒いダリアの花

2/11
前へ
/23ページ
次へ
サヴァン症候群というものがある。自閉症などの障害を持ちながら、驚異的な記憶力や計算能力などの突出した能力を持つ人のことだ。その人たちは、カレンダーの暦や電話帳など、自分が興味を持ったものに執拗に固執する。ジミーは特に突出した能力があったとは思えないので、正確な定義的には外れるが、犯罪ウィキペディアを見た時、ジェファーソンはサヴァン症候群が頭をよぎった。 「ブラックダリア事件」 犯罪ウィキペディアには、事件の概要だけでなく、ジミー独自の見解をまとめたレポートが存在した。すべての犯罪にあるわけではないが、ブラックダリア事件には結構な量の補足レポートが存在した。 「ブラックダリアの身体的特徴について」 補足レポートの題名である。 ・・・検死の結果判明    被害者、エリザベス・ショートには身体的特徴があった    膣部の著しい発達不全→性交は不可能    娼婦の仕事をしていた→オーラルセックス等の行為で終わっていたと考えられる。 ーーーここから、ジミーの独自の考察へと進む。 ・・・気になるところ    事件が起きる1年前、1946年、エリザベス・ショートは、周囲の人に妊娠したと告げている。しかし、エリザベス・ショートには虚言癖があり、妊娠についても信じる人間はいなかった。 →提言:この話を一度信じてみたらどうだろう? →つまり、エリザベス・ショートは、本当に妊娠していたと考えてみればどうだろう。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加