末席のベテラン刑事

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電話口から聞こえたのは、息子の声。 「ダン。どうしてお前が?」 「久しぶりに、パパの声が聴きたくなった」 「ダン。パパもだ」 ジェファーソンがそう答えてすぐ、電話が切られた。キャシーにすぐに見つかってしまったのだ。 「はぁ・・・」 深くため息をつく。 息子とは2年は合っていない。悪名高い父親と会うことを、元妻のキャシーは極端に嫌う。 「そうだよなぁ」 52歳・・・ストレスの多い警察官は、50代のうちにリタイアすることも多い。警官としての彼は、今まさに晩年。今、頑張らないと、このまま一生、悪徳警官の汚名を背負って生きていくことになる。自分だけならいい、、、不憫なのは息子だ。 (ここままでは、自分は一生、息子に恥をかかせることになる。) ジェファーソンは、アツアツのアメリカンコーヒーを一気に飲み干した。
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