2人が本棚に入れています
本棚に追加
深夜。
開院時間はとっくに終了し、院内には当直の限られた職員のみ。
地下。
霊安室の照明が着く。
そこにいるのは、ジョージ。
彼は、サキ・ペインズの遺体を取り出し、簡易的な手術台の上に置いた。もちろん、上半身と下半身両方だ。
「はぁ、はぁ、はぁ」
ジョージの息が上がっている。
女性とはいえ、人間一人を移動させるのは、重労働だ。
ただ、彼の息が上がっている理由はそれだけではない。
手術台の上のサキ・ペインズの死体。胸元のTATTOOを、ジョージが指でなぞる。
「はぁ、はぁ、はぁ」
彼は、ジョージの息がさらに荒くなる。
(彼女に触れたい・・・)
これは犯罪、、、重大な違反行為である。もちろん、そんなことはジョージは分かっている。しかし、衝動を止められなかった。
ジョージは、ダリアのタトゥーに唇を近づけ、接吻した。
おぎゃぁ・・・
赤子の鳴き声が聞こえた。
ジョージの心臓が一瞬止まる。
(幻聴か?・・・)
幽霊など信じていないが、深夜の霊安室という絶妙なシチュエーションに、異常者であるジョージですらも飲まれていたのかもしれない。と彼は思った。
おぎゃあ!
今度は確かに聞こえた。
(幻聴じゃない・・・)
ガシャン!
「はっ!」
最初のコメントを投稿しよう!