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「んっ、待って、まだ、ーーんっ、もっとほぐさないとっ」
苦しくても強引に、奥に捩り込む。痛くて、苦しい。それは胸の痛みか。
苦しくて、苦しくて、息がつまる。
「桔平くんっ!」
ハッとした。
同時に結さんの体を突き飛ばし、ナカから抜き去る。
頭から血の気が引く。俺は、俺は・・・。なんてことを。
こんな、無理矢理みたいな。結さんの体を開いて、押し付けて。
痛がる結さんを無視してーーー。
「ごめ、なさい・・・ごめんなさい・・・」
ガクガクと震える体。はらはらと涙が溢れて。
「桔平くん? 大丈夫、大丈夫だから」
優しい声が俺に向けられ、余計に苦しくなった。優しくしないで。こんな俺に。優しい手なんていらない。
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