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「どうした?」
「ん、あの、あのね」
「もしかして、眠れないの?」
「・・・うん」
結さんがやり取りをすると、寧々ちゃんは少し戸惑いながら伺うように返してくる。確かに、始めてきた場所で一人で眠るって小学生だとしてもなかなか心細いだろう。まだ十歳だし。
「ここで眠るかい?」
「いいの?」
「寧々がいいのなら」
「うん!」
結さんが襖を開き、寧々ちゃんを招き入れる。寧々ちゃんは嬉しそうに入ってきた。腕には枕を抱えて。
「じゃあ、俺自分の部屋に戻りますね」
「え、なんで? きっぺーお兄ちゃんも一緒がいい!」
「え、えぇ?」
兄弟水入らずがいいかとおもって提案すれば、それを寧々ちゃんが却下する。
結さんを見ると、結さんも頷いて返す。うーん。じゃあ、いいのかな。
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