最終章 オレと先生とそれから猫のシェリーと・・・

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 くったくたにくたびれた結さんが書斎から姿を現す。今回は相当締め切りがキツかったらしい。最近、結さんは仕事に熱心らしく、これ見よがしに時任さんが仕事を持ってくるんだとうんざりしたように話していた。  長編にも、もう少し短いスパンで挑戦していくらしいから、俺ももっと頑張って食事面とかのサポートをしていかなきゃ。  結さんが時任さんを追い出すと、居間には俺と結さんだけ。  結さんは俺の前にやって来ると、両手を広げて俺に抱きついてきた。俺はそれを受け止め抱きしめ返す。 「あー、やっと桔平くんに甘えられる」 「へへ、甘えてくれるんですか。めちゃくちゃ甘やかしますよぉ」 「生き返るぅ」  相当しんどかったみたい。精一杯甘えさせてあげよう。  こうして頑張って生まれた物語で俺みたいに救われる人がきっとたくさんいるんだ。結さんの仕事は本当に素敵な仕事だと思う。俺も、頑張らないと。  今は、結さんに美味しいって食べてもらうことが一番の幸せだけど、俺も、結さんだけじゃなく他の誰かのためになにかができるようになるかな。それが、料理の道だったら一番嬉しい。  俺が初めて持った夢だから。
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