きみを見つけた

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✳︎  白く滑らかな肌は、手のひらに吸いつくように心地良く、成井田は夢中で撫でまわした。Tシャツをたくし上げると、薄い色の突起が現れて、それを当然のように舐める。  すると、白い肌の持ち主が、プルッと震えて吐息混じりに掠れた声で笑った。 「俺、胸なんてないよ……」  顔を真っ赤にして口元を抑えているさつきと目が合って、成井田は股間に一気に血が集まるのを感じた。 「好き、です。好きだから……先輩」  暴発しそうな欲望を発散したい。その為の免罪符のように、成井田は告白していた。  卑怯だ、こんなの。最低だ。  正気の自分がそう思ったが、なぜか止められない。  しかし、獣のようになっている自分の肩を、後ろから不意に叩かれて、驚いて身体を起こす。 「ほら、イケるっしょ? ショートカット女子だと思えば」  何かの授業の時にたまたま近くに座った名前も知らない男が、成井田の肩を掴んで親しげに揺らしていた。  違う、俺は、先輩をそんな目では。 「やめ、」  肩に置かれた手を払おうとした所でブツリと映像は途切れて、成井田は飛び起きた。  掛布団が床に落ちていたが、額や首筋に不快な程汗をかいている。 「なんて夢見てんだ……」  生白い肌の感触が残る手のひらで、頭を抱えた。いくら中性的な顔立ちだからといって、そんな対象として見るなど自分が信じられない。罪悪感から、成井田は青ざめていた。 「……最低だ」  腿の間には痛いくらい張り詰めたものが、布を押し上げていた。  自分の中の汚れた気持ちを振り払えるまでは、さつきに近づくことは出来ない。  成井田は、その日を境にさつきを避けるようになっていった。
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