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「何しに来たの?」
その弥勒は、堂々とBL本を読みながら訊いてくる。ああ、世は無情。
「クリスマスパーティーやるんですけど、どうですか?薬師さんの料理付き」
侑平がそう言うと、二人はあっさりと快諾。よしよし、順調。というか、琴の君が参加なら、礼門は断れまい。
「じゃ、崇君を誘いに行こうか」
「そうだな」
二人はそう言うと寺を出た。が、そこに予想外の人物。
「か、影山!?」
「そうだよ。愛しの侑平!」
驚く侑平に影山は飛び付こうとした。が、すかさず一生が顔面にパンチ。しかし、それはさらりと躱された。
「ちっ。鬼も一緒か」
「お前も鬼だろ!」
残念という顔の影山に、一生は大声で怒鳴る。相変わらず、遊ばれている。
「で、影山さん。何ですか?まだ約束の二年、経ってないですよ。俺はまだ少年です」
侑平はきっぱり言いつつ、少年って違和感あるなと思う。が、影山にはこう主張しておかないと、総てを奪われる。
「それはもちろん、解ってるよ。愛しの君の成長をほんの少し待つくらい、御安い御用」
「じゃあ」
「クリスマスパーティー、混ぜて」
「ーー」
「ーー」
「ーー」
三人の間に流れる、無言の時間。えっ、なに?どういうこと?
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