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「混ぜてよ」
「却下だ!」
影山がにっこり笑うので、一生がダメダメと押し返す。何考えてんだ、この変態。
「ええっ!?いいよね?侑平?」
「ーーダメです」
何で俺からオッケー出ると思ってんのと、侑平は脱力だ。この人が人間だった時、とても寂しかったのは知ってるが、それとこれは別。しかも今はただの変態だし。
「けち。いいじゃん」
「おい!変態ストーカー鬼。さっさと諦めろよ!!」
口を尖らせる影山を回収する人が登場。侑平たちは知らないが、死神のもっくんだ。もっくんは影山の肩を掴んで二人から引き離す。
「あの……」
人ではない気配に、侑平がたじろいていると
「ああ。変態に狙われてる子か。互いに大変だな」
と、同情の声を掛けられた。よく見ると、たしかにもっくんはイケメンだった。しかも、侑平が言われる可愛いの要素も持っている。
「行くぞ!今日は俺たちで我慢しろ!」
「そうだね。じゃ、二年後、楽しもうね」
「どっちにしろ、嫌だ」
その声は、影山の耳に入っていなかった。いや、無理だと解っているから何も言わなかったのか。ともかく、騒がしく去って行った。
「あれが、例の美青年軍団の一員か」
「みたいだね」
もっくんが聞いたら怒り狂う納得を二人はする。そして、寺の裏にあるお稲荷さんで崇を拾った。
それは言葉のあやではなく、狐姿だったので、そのままお持ち帰りしたのだ。
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