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「クリスマスパーティー!やった~」
で、拾われた崇は大喜び。冬毛をたっぷりと侑平に撫でさせてくれたのである。
「ーー」
そして夜。なぜこうなると額を押さえる礼門を混ぜ、クリスマスパーティースタート。薬師如来の本気のディナーに、みんなで舌鼓を打った。メンバーは声を掛けた人たちに加え、薬師が呼んだ宗像三女神に海坊主の海斗、さらに住職の秋光だ。
「これが七面鳥か」
「ええ。一度やってみたかったんです。丸焼き」
侑平の感心する声に、薬師の不穏な一言。あなた、仏様ですよねと訊きたくなるが、声にはしない。
「久しぶりですね。あのビーチバレー以来」
「ーーそうですね」
姫神にお酌され、礼門も悩んでいられなくなる。こうして、わいわい過ごした。
酒の入った弥勒と琴の君はヤバい話(もちろんBL)を展開し、その間、男たちは料理を口に目一杯放り込む。
しばらくしてから
「侑平、ありがとな」
「う、うん」
嬉しそうに礼を言う一生に、侑平は笑顔で返す。でも、違和感があった。どうして一生は、パーティーに関して、侑平にこれほど感謝するのだろうか。
「悪戯しなくても存在できる。君の能力に感謝してるんだよ」
そんな侑平のもやもやは、礼門の一言で氷解した。ああ、だから悪戯のないパーティーをやりたくなったのかと。
「まったく」
影山のことがあるから、全面的に良かったとは言えないけど、そして一生も、それがあるから能力のことを言わないのだろうけど、でも、初めて、自分の能力を嬉しいと肯定的に受け止められたのだった。
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