オキシトシンN

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俺は何も言わずに主任の研究室を出た。 自分の無力さに涙が止まらなかった。しかし、主任の言うとおりだ。国民皆の幸せを犠牲にしてまで俺が自分の正義を貫くことは間違っているのだろう。 俺は自分の研究室に戻ると、オキシトシンNを手に取って飲んでみた。 胸につっかえている鋭い棘は消えることなく、変わらず俺の胸をズキズキと痛めていた。
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