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悟られないよう、ぶっきらぼうな言葉を使ってしまう。 「私は違うと思う。少なくともきみになにも告げずにいなくなることは考えにくい。万が一あったとしてもいずれ連絡をしてくるはずだ。こちらでも状況を調べてみるから、明石くんから連絡がきたらすぐに教えてほしい」 梶さんの声は、すでに状況を見極めようとするしっかりといたものになっている。 「なにか不測の事態があったのかも知れない」 「俺、このあたりを探してみます」 「きみは帰って休みなさい。これがどこに続くかはわからないけれど、非常事態の際は動いてもらう。休息をとって待機していてくれ」 通話が終わったディスプレイに目を落とす。 明石からの連絡はまだない。 スマホをジーンズのポケットに突っ込んで歩き出す。 ただ、家に帰って休もうという気持ちにはなれなかった。身体と頭のスイッチが折れ曲がったように変な方向へ切り替わってしまった感じだ。帰ってなにをしよう、とか、途中のコンビニでなにを買おうとか食べようとか、そんなことが考えられない。その回路がストップしている     
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