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「ほんとに問題ないですよ。蛇さんだって、出来ないことに身体を張ったりしません」 「……お前と蛇って、どういう関係なんだかよくわかんねぇな」 思ったことをそのまま口に出してみた。 隣り合う倉庫のあいだを伸びる小道を足早に渡っていく。 「ぼくもよくわかりません。たまたま出会っただけです」 「どこで?」 「そういうジョージさんこそ、あっくんとはどこで知り合ったんですか」 みごとに、質問は質問で帰って来た。 あまりに流れるように話の軌道を逸らされて、思わず鼻で笑ってしまう。それ以上の追及もかわされるんだろうな。 道を渡って、生垣の脇を抜けていく。 「人からの紹介だ。特になんのドラマもない、ただの紹介」 蛇の言っていた通りこちらの四棟に人の気配はない。岸壁に打ち寄せる波の音が聞こえて来る。 「紹介ってどんな感じなんですか。もうちょっとくわしく聞きたいです」 予想外にハルが食いついて来た。 潮風が黒髪を揺らしている。 「えーっと、俺は梶さんに世話になるまえは、ちがう仲介者に仕事をもらってたんだ。バーのマスターだったが、いまは店もないし本人もどっかに消えてるけどな。どうしても人手が必要な仕事があって、俺が声をかけてもまったく人が集まらなかった。みかねたマスターが紹介してくれたの明石だった」     
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