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肩に抱え上げたハルは、人形のようにぐったりしてぶら下がっている。事態の破壊力に打ちのめされてしまっている。
するとハルが担がれたままで、俺の肩に腕をつくとぐいっと上体を起こした。突然の動きに態勢が崩れそうになるのをなんとか踏ん張る。身体を起こしながら、ハルは俺の腰のホルダーから予備の銃を抜きとると、背面の敵へと銃弾を浴びせかける。
見えないところで短い悲鳴と、人が倒れた音がする。
「やったか!?」
振り返ろうとすると、水の音がした。視界の端でなにかが動いた気がした。考えるより早く銃を向けて立て続けに引き金を引く。段ボールの影にひそんでいた男が、銃を取り落としながら倒れ込んだ。
「まだいます!」
そう叫んだハルが俺の肩から背中のほうへ身を乗り出した。躊躇いなど一切ない素早さだった。上体を持ち上げたハルは俺の肩に片膝をつくと、引き金を引いた。
立て続けに二発。それを二回繰り返す。
「ジョージさんっ当たんない!」
「まかせろ」
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