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「……おにいさんて他人に無関心なようで、案外、そうでもないんだねぇ」 「あ?」 反射的に眉根を寄せて、相手を睨みつける。 すると蛇はパーカーから腕を出して、スマホを操作しはじめた。ディスプレイの光が蛇の顔を薄気味悪く照らし出している。耳に充てると、軽薄な明るさでしゃべりはじめた。 なんでコイツがここにいるんだ? 明石がいなくなったことと関係があるのか? むしろコイツが関わってるのか? 頭のなかで考え出すと、反響するように思考がやかましくなる。まるでこの路地みたいだ。軽い頭痛を覚える。立ち去ろうと動き出すと、蛇は腕を突き出して、俺にストップをかけてきた。 「そう。痕跡がある。梶の予測で合ってるかもね。あと、別のもん見っけた」 電話でやりとりを続けながら、蛇は俺の動きを制するように、視線を向けて来る。 「見た感じ、けっこうボロボロだぜ。使えるかどうかわっかんねーな」 言いながら、俺をみてにたりと笑うと「わかった、連れて行く」と口にした。 さらにいくつか会話を重ねてスマホをポケットにしまいこむと、 「おにいさん、ごはん食べた?」 「は?」 まとわりついて来るような視線がうっとうしい。 「悪いけど、おまえと遊んでる場合じゃねぇんだよ」     
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