1 (ゾイ)

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「父が “光あれ” と言うと、光があって 光を昼、やみを夜 って名付けた。 夕となって、朝になった。これが第一日」 「第二日は、天だ。 “水の間におおぞらがあって、水と水とを分けよ” “おおぞら” で、水を空の上と下に分けた。 夕となり、朝となった」 「次の日は、海と陸だね。 “天の下の水は一つ所に集まり、かわいた地が現れよ” そして、植物。種のある草や果実を結ぶ木。 “地は青草と、種をもつ草と、種類にしたがって種のある実を結ぶ果樹とを地の上にはえさせよ” 夕となり、朝となった。第三日」 「それから、太陽と月と星。 “天のおおぞらに光があって昼と夜とを分け、しるしのため、季節のため、日のため、年のためになり、 天のおおぞらにあって地を照らす光となれ” “また星を造られた” 夕となり、また朝となった。第四日」 「その “夕となり、また朝となった” は いつも入れるの?」 私が聞くと「そう。好きだから」って ジェイドは答えた。そのまま 「第五日は、水中生物と鳥だね」と、文字に そのことを眠らせる。 「“水は生き物の群れで満ち、 鳥は地の上、天のおおぞらを飛べ” そして、これらに祝福される。 “生めよ、ふえよ、海の水に満ちよ、 また鳥は地にふえよ” ... 水の中と、翼のある生物からなんだね」 「そのようだね。そして、“海の大いなる獣” も 創造されてる。 これは鯨などではなくて、海の竜なんじゃないか? とも言われてるね。僕もそう思う。 鳥には、翼竜もいたと思うんだ。 神の獣... 海のレヴィアタン、陸のベヒモス、空のジズ、という風にも言われているけど 彼らは 中世から、大悪魔のイメージが強くなってしまった。 聖書への入り口から、主は “悪魔も創造した” と なってしまうから ここはまず、実際に化石も残っている 恐竜がいいかもしれない。 ルカに挿し絵を描かせて入れよう」 うん、って 頷くと、ジェイドも頷いて “drago” って書いて丸で囲む。 イタリア語でドラゴンのこと。 「“夕となり、また朝になった”?」 「もちろん。次は第六日、動物と人だ」
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