1 (ゾイ)

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「今度は、“人がひとりでいるのは良くない。 彼のために、ふさわしい助け手を造ろう” と わざわざ “野のすべての獣と、空のすべての鳥とを土で造り、人のところへ連れてきて、 彼がそれにどんな名をつけるかを見られた” って すでにいる動物や鳥を、土で造って持ってきて 名前を付けさせている」 「父のものとする “聖別” みたいだね。 こうして、動物や鳥を人のものにしたのかな?」 「そうかもしれない。だけど、動物や鳥は 人にふさわしい助け手じゃなかったようだね。 それから、肋骨の話だ」 父なる主は、人を深く眠らせて その あばら骨を一つ取ると、そこを肉で塞いだ。 そうして、あばら骨から ひとりの女を造り 人のところへ連れてこられた。 「... そのとき、人は言った。 “これこそ、ついにわたしの骨の骨、 わたしの肉の肉。 男から取ったものだから、これを女と名づけよう” “それで人はその父と母を離れて、妻と結び合い、一体となるのである。 人とその妻とは、ふたりとも裸であったが、 恥ずかしいとは思わなかった”」 “これは 女だ” って、目を開いた(アダム)が言うところを 想像すると、よくわからない 小さな息をついた。 「2章までは終わったね。休憩しようか?」 ジェイドが笑って、文字が眠るメモを折ったから 私も聖書を閉じて、長椅子を立った。
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