風邪から始まる嵐の予感

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※風邪でぶっ倒れておりました。治りましたのでまとめて更新いたします。お待たせしてしまい申し訳ありません。 side 陽介 目の前で遠慮もなくキャハキャハと笑う安江の姿に俺は眉を寄せた。 未だに痛む頭に安江の少し高い声が響く。 いい意味でお坊ちゃんな安江たちは酒をすでに飲んだことがあるだろうから、酒に慣れていない事を知られるのもそれで二日酔いになるのも知られたくはなかった。 こうやって笑われるのが目に見えていたから。 「うっそー、あのよーちゃんが二日酔いってえ」 「うるさい…だから心配いらないから帰れ」 「いやいやあソレはソレで心配だよお」 絶対に記憶なくすまで飲んじゃだめだよお。と続ける安江には昨夜の記憶が曖昧だとは言えるはずもない。 「頼むから支度させてくれ」 長居をすると言わんばかりにソファに腰かける安江を引っ張り玄関まで戻す。 想像以上に安江の声が不快に頭を刺激し、長時間は耐えきれる気がしない。それを伝えるのも悔しいので学校へ行く準備をする為だと強調した。 安江は若干駄々を捏ねてみせたが俺が折れないと知れば素直に部屋を後にする。 帰り際に「しじみ汁が二日酔いには効くよお」と生活の知恵を披露していった。 「購買でしじみ汁って置いてるかな」
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