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side 江西
その後は上岡が淹れてくれたコーヒーを飲みながら他愛もない会話を続けた。
来週からの仕事内容やら、古文の小テストの出来やら、担任の子供自慢の話やら、最終的にはここ最近一番ホットな話題の高良田の愚痴をお互いに漏らす。
「顔が可愛いせいか高良田に告白するやつもいるらしいんだわ」
「そりゃ物好きなやつも居たもんだな」
「いっそ、そういうやつらが首輪でも付けといてくれりゃ大人しくなりそうだけどなー」
「同感だ」
大浴場で危うく手を出しかけた自分を棚上げで俺は小さく笑った。
学園長の弟だから何をしても追い出されないと勘違いしている高良田に今は当初以上の軽蔑を感じている。
「昨日は休日だというのに剣道部に押し掛け試合の邪魔をしていったらしい」
「剣道部って……よくあの人が怒らなかったな」
「三年だから試合には顔を出してなかったんだろう」
「居たら確実に泣かされてただろーな」
我が校の剣道部は全国でも一位二位を争う強者だ。
特に去年は敵知らずの強さで、その中心に居たのがこの学園に通っている者なら誰もがしるあのお方。
悔しいが俺のルックスやカリスマ性を持ってしてもあの先輩にだけは勝てる気がしない。
「人聞きの悪い言い方をするな」
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