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side 江西
ああ、なるほど。
俺は目の前で起こる奇妙な光景に先程の友人の言葉をやっと理解した。
「くっはぅ、やめっ」
何とか声を殺そうと努力をする陽介だが、安江は容赦なく責める。両脇にセットされた手を休めることなく動かし。
そう、安江はくすぐりで陽介を責めているのだ。
「ははっぐぅ、」
普段大声で笑うことなどない陽介が目元に涙を浮かべ笑う姿は新鮮だ。正直、少し可哀想とも思ったが自身の好奇心には勝てなかった。
手にしていたカメラを横に置き、二人がのるベッドへ膝をつく。ぎしりと軋むが陽介は今それどころではないようだ。
「え、にし!ッふは」
無防備に投げ出されていた足の裏に指を這わせれば、さすがに気づいた陽介が声をあげた。
ふざけるな、と言いたいらしいが息絶え絶えで言葉になっていない。それが面白くそのまま足の裏をくすぐる。
陽介は身を捩り逃れようと頑張るものの、手錠に馬乗り、足も男の力で固定されてしまえば抵抗など出来ない。
「いっや、ははッぁン」
「ふははっ、ッはぁ」
「ひぁッ、やぁ」
「くっあぁッ、はぁッはァ」
一体どれくらいの時間が経過しただろう。
正直、安江にとめられなければこの甘ったるい声を聞きたいが為に永遠と続けてしまっていたかもしれない。
「もうそろそろ頃合いかなあ」
かずっちお写真お願いね、と陽介の上から安江が退けばそこには頬を赤く染め、目も虚ろなエッロい陽介の姿。
酸素を取り込もうと開いた口から覗く舌がぬらぬらと俺を誘う。おいおい、こりゃ殆ど事後と変わらないだろ。
余程くすぐったかったのか、足の裏をシーツに擦り付ける姿は見方によっては内腿を擦り合わせてるようにも見える。
「かずっちはーやく」
生唾を飲み込みカメラを構えて、陽介のあられもない姿を夢中でカメラに納めた。
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