日常と化した異常

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side 陽介 編入して一番に学んだのはこの学園の異常性。 そして二番目に学んだのは、安江に対しての禁止ワード。 学んだはずだったのに ベッドヘッドに固定された自身の腕を懸命によじり拘束から逃れようと必死になるものの、手首に食い込むだけに終わる。 いやというほど擽られた身体は敏感になり手錠の擦れる痛みすら変に俺を刺激した。 「んンッ」 そんな俺に容赦なく安江の白い指が這う。 先程と違い意図的に俺の身体を高ぶらせるように、首筋、鎖骨、脇腹、腹筋と撫で回す手に声を出さまいと唇をかんだ。 「ふっは、それで我慢してるつもり?エロい声もれてるし」 楽しそうに笑う安江の声は俺を苛立たせるが、いまはそれ以上に羞恥を煽る材料となった。 事実、俺の喉からは色欲を纏った声が止めどなく漏れている。自覚がある分、友人二人にその声を聞かれている現実に顔が火照る。 いたたまれず視線を外せば、少し離れた位置にあるテーブルに寄り掛かる江西の姿が目に入った。 このエロ魔神に期待は出来ぬが、今は藁にもすがる思いで名前を呼んだ。 「えに、しッンぁ」 余所見をするなと言わんばかりに胸の突起を弾かれ、俺はびくりとのけ反った。 普段からここまで敏感な訳ではない。弄ればそれなりに気持ちいいが、乳首でこれほど反応を示すこともない。 先の拷問のような仕打ちに自身の意思とは関係なく身体が異常なまでに敏感になっているのだ。知らない強い快楽に俺は恐怖した。 「ベッドの中で他の男の名前呼ぶか、ふつー」 「会長のいう通りだ、陽介は悪い子だな」 いつの間にかベッドサイドにきた江西は、もう片方の乳首を加減なしにつねりあげた。 「いっッ」 あまりの痛みに色気のない声をあげる。 じんじんと痛む突起に他人事のように哀れみの視線を送り、そのまま江西を睨み付けた。だが江西はニヤリと笑い悪びれもせず口をひらいた。 「気持ちいいだけじゃお仕置きにならないだろ」 でも、腫れちゃって可哀想だから慰めてやるよ。 乳首に息のかかる位置で囁き、江西は俺の赤くなった突起に舌をゆっくりと這わせた。
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