日常と化した異常

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「ふぅッ、やめ」 熱をもった舌は、ヒリヒリと痛み神経が集中しているそこにはあまりにも刺激が強い。 ねっとりと舐めあげ、舌の先で擽るように突起を転がす。経験数の違いを身をもって見せつけられるが、今の俺はそれどころではない。 「ひっンあ」 女のように可愛らしくもない低音の喘ぎ声など自分でも聞きたくはない。だが、一度緩んだ口からはひっきりなしに声が漏れる。 嫌々と首をふって見せてもやめてなどくれず、生理的に涙が溢れた。 「だーから、何ほかの男で感じてんだよ」 言葉とは裏腹に安江の口元は楽しげに弧を描いていた。指は何度も、何度も、乳首を弾き卑猥に身体を這う。 違う意思をもつ舌と指に翻弄されどうしようもなく下半身が疼いた。だが、安江も江西も肝心な所には一切触れようとせず露となった肌のみをなぶり続けた。 「もッや、やだァ」 駄々を捏ねる幼子のように泣きじゃくるも、腰を揺らめかせ乳首を二人に擦り付ける様は娼婦である。 これ以上続けられれば自分からねだってしまう。安江の細い指で熱をもった俺自身を乱暴にしごかれたい。江西の濡れた舌で裏筋、鈴口を丁寧に舐めあげられたい。 もうここまできたらいっそ開き直りねだってしまおうか。 俺が溶けきった脳みそで現状を受け入れようと決心した最中 「冗談が過ぎるぞ」 スパーンと音をたて二人の頭が叩かれた。 「いったあい!すぐるひどひどだよー」 「っつう!割とガチに殴っただろおまえ」 上岡の登場にブラックモードが解けた安江。二人は頭をおさえ振り返り抗議の声をあげた。 そんな二人など気にも留めず、上岡は俺の手錠を手早く外してくれた。 「陽介、だいじょうぶか?」 俺の身体を気遣い優しく首裏に腕をまわし上体を起き上がらせてくれる。 その行動にすら俺の身体は甘く下半身を疼かせた。
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