日常と化した異常

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side 上岡 効率化を図る為に何グループかに分かれての撮影は毎度の事で、組み合わせはその時の気分で決定していた。 一般生徒のお願い事はいろいろあるが一番多いのがこのブロマイド撮影だ。おかげで皆慣れてきたものの、陽介だけは慣れず毎度一人苦戦している。 (……にしても今回は遅すぎるな) 腕にはめた革の時計に目を落とし時間を確認する。俺のグループが解散して既に一時間半が経過していた。 三日後に控えた新入式の準備をまだ終えていない為、撮影後に生徒会室に集合と約束をしていた。 自身の仕事を終えても戻らない友人が心配になり、俺は先に聞いていた撮影場所へと足を運んだ。 「…はあッ、上岡さんきゅ」 腕の中で乱れた息を整える陽介の姿に喉がなりそうになるのを必死で止め、陽介を抱えるべく腕に力をこめた。 しかし陽介は俺の腕から逃れるように身を捩った 。 「上岡、悪いけど二人連れて先戻っててくれ」 この状況で置いていける訳がない。無理だと突っぱねるつもりで口をひらけば、陽介の腰が小さく揺れた。 下を見やればスラックスの中で主張する陽介の分身。男同士であれば辛さは想像がつく。 「わかった」と返事を返し、俺は後ろで喚く二人の首根っこを掴み部屋の出口に向かった。 「換気しろよ」 足を止め振り返れば、陽介は耳まで赤く染め「分かってる」と視線を泳がせた。 その姿にふっと笑みをもらし、二人を引きずり部屋を出た。
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