日常と化した異常

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昨日の火曜日に安江から仕事を振り当てられた俺たちは授業以外の時間をフルに活用し仕事をこなしていた。 明日から来週の月曜まで安江は父親の手伝いでアメリカへと旅立つ。 「じゃあ僕おうちで支度しなきゃだからもうあがるねっ」 いってきまーすと元気よく出ていく安江にひらりと手を挙げ「気を付けてな」と短く返す。 安江が新入式で言っていた通り、学園内ではこういった親からの休み申請が多い。そのため単位も公立高校などに比べると低く設定されている。 まあ俺は一般家庭で生まれ育ったので関係のない話だが。 昨日のうちに大半の礼状を仕上げておいた俺は、残りも早々に終わらせ次の仕事に取りかかった。 「失礼します」 生徒会室と同じフロアにある職員室はやはり少し堅い雰囲気があり、何度来ても慣れない。 俺の声に一瞬まわりの先生方は仕事をする手を止めたがすぐに己のやるべき事に戻った。 俺もそれをどうとも思わず、目的のデスクへと足を運ぶ。 「八代(やしろ)先生、忙しい中申し訳ございませんがお話よろしいでしょうか」 他の先生方が真面目に仕事に取り組む中、ひとり週間雑誌など見ているこの男、八代信司(やしろしんじ)に俺は嫌みを込めて話かけた。
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