日常と化した異常

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「生徒会顧問でもないのに協力するメリットが俺にはないんだよ。金にならない仕事したって体力の無駄だろー」 「俺はお前らと違って若くないんだ」 ああ言えばこう言う。 若くないと言うが、発言は到底15も離れた大人の発言とは思えないものだ。 「確かにメリットはないかもしれませんが、デメリットならございますよ。生徒会の仕事が遅れれば遅れるほど何処に皺寄せがいくか考えてお返事お願いします」 小脇に挟んだ封筒を雑誌の上にバンッ落とし、口元だけでにこりと笑う。 昼食返上で作成した適性検査のプリントを無駄にしたら恨むぞ、このエセ教師。 口の悪い悪態をなんとか脳内のみで抑えたものの、担任時から変わらぬ八代先生に苛立ちは消えぬ。 「相変わらず可愛くねーな」 そんな俺に八代先生は余裕たっぷりの笑みで返してきた。目の前の封筒を端へよけこの期に及んでもまだ雑誌のページをパラりと捲る。 そこには先の胸を強調していたグラビアアイドルが水着姿でベッドに横たわっているのが見えた。 「どうせなら俺の前でもあの写真みたいな表情みせてくれよなー」 「は?しゃし……ッツ」 トントン、とわざとらしく俺に雑誌のグラビアを再度確認させてきた八代先生に、俺は一瞬で耳まで赤く染めた。
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