友情に勝る欲情

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「「「伝承遊び?」」」 綺麗に揃った声にくすりと笑ってしまう。 自分の案を三人に説明するが、知らない単語ばかりだったせいか半分も理解しておらず、今度はもう少し分かりやすく説明するために口を開いた。 「ようは昔からある日本の遊び。ベーゴマ、めんこ、ケイドロ、竹馬とか、さっき言ってた缶蹴りもその一つ」 「たぶんこの学園に通う生徒はそういったゲーム知らないだろうから新鮮だと思うし、準備もそう手間ではないだろ」 例年、新歓は豪遊の限りを尽くした企画ばかりなだけに通らないかも、と言いながら段々と不安になってきた。 だが、その不安は安江の明るい声に吹き飛ばされた。 「なーんか楽しそう!それなら料理と会場も和テイストにしたらおしゃれだよねん」 乗り気な安江にほっとする。 続いて江西と上岡も賛同してくれた為、そこからの話し合いはスムーズだった。 「よし!あとは明日の本番成功させるだけだねー」 前日までに終わらせるべき準備は何とか間に合った。生徒会室にかけられた時計を見れば既に夜の8時を回っている。 「國仲たちも毎日遅くまで有難うな」 ここ二週間でだいぶ打ち解けた一年生たちに改めて礼を言えば、三者三様の返事が返ってきた。 「職務を全うしたまでですので」 「そ、そんな先輩方が働いてるのだから当たり前です」 「明日もバリバリ働くんで何でも言ってください!!」 可愛らしいやつらだ。 それは俺だけでなく室内の二年生みんなが思っており、おかげで疲れが癒された。
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